薬王堂気まぐれ通信使№842  2022-12-25
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

12月25日の日曜日は広大理学部主催・特別会としての植物観察会に参加させていただき宮島(厳島)を歩いてきました。
早朝に家を出発しJRで宮島口に到着しフェリーに乗船します。
3年の間、修理で姿をあらわさなかった鳥居も奇麗になっていました。

宮島に上陸します。
今日のコースは宮島桟橋より町屋の通りを歩いて本殿裏通り~もみじ谷~ロープウエイ~獅子岩~消えずの火~山頂~御山神社横~仁王門~大聖院と約7時間の強行軍でした。


朱色の行程で進行しました。


宮島桟橋は戦後、埋め立てによって敷地を拡げた場所にあります。
埋立地に植えられたクロマツは今年になって伐採されましたが年輪を数えたところ55年前に植えられたもののようです。
町屋通りは江戸時代からの古い通りで海岸に沿って民家が建てられた名残と思われ道は湾曲しています。


町屋通り


五重塔を過ぎアナゴ料理の店の前を通過して本殿裏側に出てきました。
カンコノキ実をつけていました


三翁神社は古くからの建物で1177年の記録があるほどです。
もみじ谷を通り出雲系社であるとされる四宮神社にお参りをしてロープウエイ乗り場に急ぎます。
四宮神社の正面にはコウヤマキが二株ありましたが植栽されたものと思われます。
もみじ谷ではモミ・アセビ・ヒサカキ・イロハモミジ・ヤブツバキ・カヤなどが見られました。
落ち葉の中にマツグミの葉ややカヤの実がありました。
モミの樹は成長が早く胴回りが大きなものでも200年くらいしか経っていないと言われます。
またモミがある谷は過去に土砂崩れがあった箇所が多く地盤が不安定とのこと・・
ロープウエイに乗車します。
窓からカギカズラ・タマミズキ・アカマツ・コシダ・ウラジロ群落などが見られます。
かやたに駅で大きめのロープウエイに乗り換えて瀬戸内海の眺望を楽しみました。


獅子岩駅で下車し雪の残る山道を登って頂上を目指します。
途中、エングラー植物分類体系を立ち上げたエングラー氏の宮島での感想を綴った看板を見ます。
ヤマグルマ(夏撮影)やマツブサ(2021年撮影)・ツガウラシロガシツクバネガシ(葉の端が白い)など貴重な植物を見て感激したと言われます。
弘法大師が点灯して以来、絶やさず守り続けてきたという消えずの火のあるお堂を過ぎ、大きな岩のある場所を過ぎ弥山頂上に登ります
雪の残る山道でしたが快晴で島々が散在する瀬戸内の絶景(広島方面)を見ることが出来ました。


瀬戸内海の島々を見渡せる弥山山頂より


気が付いた植物を紹介してみます。
アカガシ
オクマワラビ (葉裏)
ヤブニッケイ
ホウロクイチゴ
ミミズバイ
ヤマモモ
アラカシ
サルトリイバラ
イヌガシ
クロバイ
ヒメイタビ
シロダモ
カヤ
ツガ (樹形)
アカマツ
ヒメハシゴシダ
ネジキ
ウリハダカエデ
サカキカズラ
ハスノハカズラ (果実 果実2 種子)
リョウブ
トサムラサキ (アップ)
ヌルデ
シキミ
サカキ
マルバウツギ
オオイタビ
ソヨゴ
クスノキ
クロキ
カゴノキ
などなど・・

平成11年の台風により全壊した仁王門を過ぎ鉄砲水で崩れた白糸川の補修路を下って大聖院まで下りてきました。


修復に3年を要した大鳥居も奇麗になって観光客が干潮の砂浜を歩いていました。
宮島もやっとにぎやかさを取り戻しつつあるようです。

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